■Career (3)

■40’s 「チーム医療とメディカルスタッフ」を社会に伝える

 1998年から週刊朝日の医療班で指導を受けながら、医療に関する記事を書くようになりました。よく病院に出入りするようになって疑問に思ったことは、医師・看護師以外の職種はどんなことをしているのか。

 そこで、雑誌「がんサポート」で様々な職種の役割や仕事を紹介する連載を始めました。そのとき、「病気になったとき、医師や看護師以外の職種にもっと相談できる」と気付き、連載後、書籍『がん闘病とコメディカル 医療最前線からの提言』(講談社新書)にまとめました。この本では、がん等の病気になったとき、どんな職種に、どんな相談ができるか、多くの具体的なエピソードをまじえて紹介しています。

 例えば、「がんになったことを会社にどう言えばいいか、ソーシャルワーカーに相談しよう」「心理士のカウンセリングでは、こんなやりとりをする」「食事が食べられない、作業療法士のリハビリテーションはどんなことをするのか」「臨床試験とは、どんなことか」「がん細胞はどんな形状をしているか、細胞検査士の仕事とは」など、いろいろな職種の仕事内容や相談できることをまとめています。大学の入試問題にもなりました。きっと、あなたの人生を変える一助になるので、ぜひ読んでみてください。

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 この書籍の出版後、メディカルスタッフのすばらしい存在を社会に伝えることを目的にした「チーム医療推進協議会」設立を提案し、立ち上げに奔走し、3年目まで運営に携わりました。また、雑誌「メディカル朝日(現在は廃刊)」で全国の病院において、チーム医療をうまく実施している様子を取材した連載をしました。その連載に大幅な加筆をしてまとめた書籍が『チーム医療を成功させる10か条ー現場に学ぶチームメンバーの心得』(中山書店)です。多くの大学で講義テキストとして採用されているほか、こちらの本からも入試問題が出ました。

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 スペイン語の翻訳もしました。『きみは太陽のようにきれいだよ』(童話屋)は、おばあさんが「こんな年老いてしまって、外へ出たくない」と鏡の前でうつむいていたら、おじいさんがおばあさんをほめて、ほめて、ほめまくって、自信を持たせて一緒にパーティへ行く話です。この絵本との出会いはブックフェア(見本市)で。何冊ものスペインの絵本を立ち読みしていたとき、この絵本はすぐ日本語版を出版したいと思って、あちこちの出版社にかけあいました。

 そのなかで、童話屋の田中和雄社長が郵送した持ち込みの企画書と絵本のコピーの入った封筒を、ある日偶然、開けてくださったところ「この絵は、すばらしい!これまで見たなかの5つ星です!」と絶賛してくださり、すぐ出版が決まりました。その出版前、瀬戸内寂聴さんの取材をしたとき、この絵本の話をしたら、「日本の男性は女性をほめないので、ぜひがんばりなさい。帯を書いてあげましょう」との言葉を頂き、わたしはがんばりました!出版の2年後、原画展を開催したとき、瀬戸内寂聴さんからすばらしいお花を頂いたことは、ステキな思い出です!